キンギョを膨らませる様子
地球温暖化の影響で年々気温が上昇し、暑い日々が続いています。その暑さを悪者とするのではなく、暑さを利用して何か面白いものを生み出すことができるのではないでしょうか。そこで、私たちは熱膨張を利用した金魚バルーンを作ることにしました。環境で問題視されやすいビニールを救うことと金魚を掬うことをかけたコンセプトを基に、全長約10mもある巨大金魚を組み立て、自然の熱を吸収して中の空気を暖めて浮かばせます。
片面が黒色でもう片面が白色の、主に畑の畝の表面を覆うマルチングで使われるポリエチレンフィルムをアイロンで熱して繋ぎ合わせて、全長約10メートルの巨大オブジェを作りました。メンバーは美術教育講座と先端教育開発領域の学生です。自然の熱と空気の力で膨らませ、岡山大学教育学部本館前の風致池の上の空間に浮かばせます。
膨らむ前のキンギョ
物体が浮かぶか否かは、空気の密度に対するその物体の密度の違いによって決まります。空気の温度の変化に伴って空気の体積が多くなったり、小さくなったりするのと同じく、空気自体の密度も変化します。空気が暖まると、元の空気よりも密度が小さくなり、物体が軽くなります。この原理を活用すると、ビニールの表面(黒色)が自然の熱を吸収し、ビニールの内側で暖めた空気を上に上げることで、オブジェを浮かばせることができます。
暑ければ暑いほど、パンパンに膨らむ、この夏にぴったりのプロジェクトです。
内部の空気が温まる様子
キンギョのつくり方ダイジェスト
キンギョの素材に願い事を書き、ゆったりとキンギョが泳ぐ池の柵に、結びます。
みんなの願い事が、叶いますように・・・。
参加者の声
おわりに
私自身、プロジェクトを立ち上げた当初は、大規模なことをする経験がなかったため、本当にできるのだろうかと不安を感じていました。しかし、STartLE のメンバーや先端教育開発クラスの学生方と協力し合い、時には支えてもらいながら無事プロジェクトを実現することができました。
この活動を通して、私はできないと思うまたは思われていることに挑戦することに意味があり、試行錯誤を重ねることで新しい発見をしたり、面白さを感じることができる。それが最終的に学びにつながるのだと実感しました。また、もっとやってみたい!今度は違うオブジェを作ってみたい!と心から強く思えたのも、成長の一つだと思いました。
今度は子どもたちの前でやってみると、また新たな発見ができるのではないかとワクワクしています。最後まで読んでいただきありがとうございました。